知的オフィス環境コンソーシアム
同志社大学の三木先生を中心に設立されている知的オフィス環境コンソーシアムのシンポジウム(SOEC 2009)に行った。京都工芸繊維大学の仲さんが来賓の挨拶。
三木先生は、ここ10年来、知的照明を試みられており、既に品川のコクヨのオフィスや、三菱地所のエコッツェリアで、その知的照明を実装している。最近では照明もIPv6とかで、個別に頭脳を持ち、パソコンで光源輝度の制御ができる。LED照明ともなると、いくつかの色温度のLEDを組み合わせることにより、輝度・光量だけでなく、色温度まで制御できる。これを使うと、天井のあるエリアごとに制御範囲を決めておけば、自分がいる場所に近い範囲の照明を自分好みの照度、色温度にコントロールすることができるというのが、知的照明。三木先生はこれにより、少なくとも60%程度の省エネが可能だという。つまり、現在の全体を明るく照らすオフィス照明は無駄が多く、個人の必要に併せれば、ずっと少ない照度で済むという。
個人のパソコンは今となってはネットに繋がっているのが当たり前だから、その場所さえ特定できれば、照明制御は簡単らしい。
紺野登氏の基調講演もあった。野中郁次郎先生とともに、知的創造モデルSECIモデルを提唱している人物だ。最近では「儲かるオフィス」という著作もある。知的創造がこれからの企業競争力の源泉であり、そのためのオフィス環境が必要だ、という主旨。ただ、「フリーアドレスはいけない、ノンテリトリアルでなければ。フリーアドレスは座席数を減らすが、ノンテリトリアルは多様な場を用意する。」とおっしゃっていたのが気になった。ノンテリトリアル・オフィスというのは、フリーアドレスよりも遙か前に、ト-マス・アレン、ガーストバーガーらが、IBMの個室オフィスをオープンプランにして行った実験オフィスのこと。あるいは、日本のフリーアドレス・オフィスに感心した、コーネル大学のフランクリン・ベッカー先生が、アレンらの既往研究を見いだして、フリーアドレスを含めて、固定しない仕事の場を総称して「ノンテリトリアル」として使った言葉だ。つまり、フリーアドレス・オフィスはそもそも省スペースが目的ではなく、座席数を減らせるというのは副次的な目的で、席を個人にアサインしないことで、ひとりひとりが使える机上面積、有効スペースを、(不在者の分だけ)拡大しようとするものだ。そしてその副次効果として、さまざまな場を用意することが可能になったり、コミュニケーションが活性化したり、組織変更に伴うコストを縮減したりすることができるというものだ。
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